Q.天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)とは?

天之忍穂耳命_サムネイル

天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)は、天照大御神の御子ながら、下界へ降ることを拒み通し、高天原にとどまった神です。名前がとても長く、正勝吾勝勝速日天忍穂耳命などの呼ばれ方があります。

天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)とは

天之忍穂耳命は、記紀神話には正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ)という長い名前で記されています。天照大御神(アマテラス)の御子で、天安河にて須佐之男命(スサノオ)が行った誓約によって生まれました。

天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)の誕生

誓約(うけい)とは、「かくあるべし」と心に期して神意を占うことです。神話には、須佐之男命(スサノオ)が高天原を攻め取りに来たと疑った天照大御神(アマテラス)に対し、自分の身の潔白を証明するために須佐之男命かこの誓約を提案したとあります。

天照大御神(アマテラス)が須佐之男命の剣を三段に折り、それを口に含んでかみ砕いて吹き出すと、その息吹から三柱の女神(宗像三神)が生まれました。次に須佐之男命が姉神の勾玉(まがたま)の髪飾りをかみ砕いて吹き出すと、三柱の男神が生まれました。このときに左の玉飾りから生まれた神が天之忍穂耳命です。

Q.天照大御神(アマテラス)とは?|天照大神・天照皇大神・アマテラスオオミカミ
天照大御神(アマテラスオオミカミ)は、高天原の主神にして皇室の祖神、太陽のような大御神です。伊勢神宮の内宮に祀られています。天照大神、天照皇...
Q.須佐之男命(スサノオ)・素盞嗚尊とは?
須佐之男命(スサノオ)は悪逆非道な行いによって高天原を追放された後、勇猛な善神に変じて出雲国を治めた神です。素盞嗚尊、建速須佐之男命、神素盞...

天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)の神名の由来

須佐之男命は、自分の持ち物から女神が生まれたのは邪心がなかった証拠だといい、「正しく勝った、私が勝った(正勝吾勝)」と宣言します。神名にある「正勝吾勝勝速日」はこの話に由来します。ちなみに「勝速日」とは、「勝つこと日の昇るが如く速し」の意であるといわれています。

また同じく神名の「穂」とは、穂の神、つまり稲穂の神霊であることを暗示しています。この神名と属性はのちの御子、日子番邇邇芸命(ヒコホノニニギノミコト)や孫神、彦火火出見命(ヒコホホデミノミコト)にも受け継がれていきます。

Q.瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)とは?|邇邇芸命・ににぎのみこと
瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)は、アマテラスの命を受け、三種の神器を携え、多くの神々を率いて高千穂に降った天孫です。天孫降臨の神話として有名です...
Q.火遠理命(ホオリ)とは?|山幸彦・彦火火出見尊
火遠理命(ホオリ)は、山幸彦の名で知られています。瓊瓊杵尊(ニニギ)・鵜葺草葺不合命(ウガヤフキアエズ)とともに、神話と歴史をつなぐ「日向三...

天照大御神の命を拒み続けた天之忍穂耳命

天之忍穂耳命は、天降って葦原中国(あしはらのなかつくに)を治めるよう天照大御神から命令されます。いったんは葦原中国との境にある天の浮橋まで降りますが、そこから眺める下界が妙に騒がしいことを知ります。そして、こんな物騒なところへ降りることはできない、と途中で引き返してしまいます。

そののち、天之忍穂耳命の代わりに派兵された建御雷之男神(タケミカヅチ)らの葦原中国平定を受け、ふたたび天之忍穂耳命に降臨の命令が下ります。しかし天之忍穂耳命は、高御産巣日神(タカミムスビ)の娘、万幡豊秋津師比売(ヨロズハタトヨアキツシヒメ)との間に生まれた御子を代わりに遣わし、自身は高天原にとどまります。この御子神こそが、日子番邇邇芸命となります。

Q.建御雷神(タケミカヅチ)とは?|武甕槌神・建布都神
建御雷神(タケミカヅチ)は、天照大御神によって高天原から葦原中国に遣わされ、力自慢の国津神を諏訪へ追いつめて屈服させた武神です。その呼び名は...
Q.高御産巣日神(タカミムスビ)とは?
高御産巣日神(タカミムスビ)は、天孫降臨の司令塔となり、天孫神話に記述が見られる神聖な生成力の神です。たかみむすひ、たかみむすび、高皇産霊尊...

天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)の神格

  • 稲穂の神
  • 皇統の祖神

天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)のご利益・神徳

  • 諸産業降昌
  • 勝運招来
  • 家系繁栄

天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)の別の呼び方・異称

  • 正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命

天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)を祀る主な神社・神宮

天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)と関わりが深い神々

天之忍穂耳命(アメノオシホミミ)は天孫にまつわる神話にて登場します。関わりがある神々を紹介します。

あわせてご覧ください。

スポンサーリンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加