大国主神(オオクニヌシ)は、出雲の支配権を須佐之男命から譲り受け、葦原中国の国作りを完成させた後に、天孫降臨によって国を譲た国津神です。
大己貴命という別称を代表に、大物主命、大穴牟遅神、葦原色許男命、宇都志国玉神、八千矛神、国作大己貴命、大國魂大神、伊和大神、所造天下大神、幽冥主宰大神、杵築大神などとても多くの異称があります。
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大国主神(オオクニヌシ)とは
スサノオの直系の子孫
大国主神(オオクニヌシ)は、古事記によれば天之冬衣神(アメノフユキヌ)と刺国若比売(サシクニワカヒメ)との間に生まれた御子で、須佐之男命(スサノオ)から数えて七代目の直系の子孫にあたります。
また日本書紀には大己貴神(オオナムチ)の名で登場し、素戔嗚命(スサノオ)と奇稲田姫(クシイナダヒメ)との間に生まれたとされています。
大国主神(オオクニヌシ)の別称
大物主命(オオモノヌシ)、大己貴命(オオナムチ)、大穴牟遅神(オオアナムジ)、葦原色許男命(アシハラノシコオ)、宇都志国玉神(ウツシクニタマ)、八千矛神(ヤチホコ)など多くの別称をもちます。
また、須勢理毘売命のほかにも八上比売命(やがみひめのみこと)、多紀理比売命(たきりひめのみこと)をはじめ多くの妻がおり、御子(みこ)は百八十一柱にものぼります。
スサノオの直系の子孫
古事記には、スサノオから課せられるさまざまな試練をへて、須勢理毘売命(スレリビメ)を妻に迎え、葦原中国(あしはらのなかつくに)の支配権をスサノオから譲り受けたと記されています。以降、天津神への国譲りまでの期間、「地上の国を治める偉大な主」として君臨します。
因幡の白兎とその背景にあるもの
大国主神にまつわるエピソードはバラエティーに富んでいます。なかでも最も有名なものは、童話としても語られる「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」でしょう。実のところ、因幡の白兎に込められている本当の意味は、陰惨な迫害と権力闘争と考えることができます。
大国主神の命を狙う者・救う者
大国主神は、いく度となく理不尽な迫害を受けて命を落としてしまいます。そのたびに救いの手が差しのべられ、蘇生を果たします。大国主神の命を狙うのは、古事記には兄弟として描かれている八十神(やそかみ)です。
この八十神とはおそらく、出雲統一を目指す大国主の存在を快く思わない出雲地方の有力者や、高天原から派遣された討伐隊を意味すると考えることができます。
危機に瀕した大国主神を救うのは、高天原にすまう神産巣日神(カミムズビ)の一派です。少名毘古名神(スクナビコナ)を派遣したこの一派は、一貫して大国主をサポートし続けますが、結局その支配権は、高天原の主流派である高御産巣日神(タカミムスビ)と天照大御神(アマテラス)の一派に移ることになります。
大国主神と大黒天の習合
大国主神はのち、その名の類似性からインド由来の大黒天(だいこくてん)と同一視されるようになりました。その神徳も、医療、農業、五穀豊饒、温泉、航海、厄よけ、縁結びなど多岐にわたっています。
大国主神(オオクニヌシ)の神格
- 建国の神
- 農業の神
- 医療の神
大国主神(オオクニヌシ)のご利益・神徳
- 夫婦和合
- 病気平癒
大国主神(オオクニヌシ)の別の呼び方・異称
- 大物主命
- 葦原色許男命
- 八千矛神
大国主神(オオクニヌシ)を祀る主な神社・神宮
大国主神を祀る神社として最も有名なのが出雲大社でしょう。
大国主神(オオクニヌシ)と関わりが深い神々
大国主神(オオクニヌシ)国譲り神話などを中心に、とても多くの神々と関わりがあります。国譲り神話に出てくるのは天照大御神(アマテラス)、建御雷神(タケミカヅチ)などです。
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