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建物の種類
神社の建物には、そこが何のための場所かによって、大きく分けて六つの種類があります。それらすべてを備えている神社は多くはありませんが、おおよそ以下のような建物があります。
身を清めるための場所「手水舎」「祓所」
身を清めるための場所としては、神社の入り口脇にあり、参拝に際し手と口をすすぐ「手水舎(てみずや)」や、神事の開始に際して一同がお祓(はら)いを受ける「祓所(はらえど)」があります。ただし、建物がない神社も多いです。
境内を区切る建物「玉垣」「門」
多くの神社では境内を区切るのに「玉垣(たまがき)」と呼ばれる石柱が巡らされています。
神社によっては、入り口に門が建てられたり、回廊(かいろう)が巡らされていることがあります。これは寺院建築の影響を受けたもので、寺院の仁王門(におうもん)のように、両側に弓矢や刀を身に着けて境内を守護する随神(ずいしん)が祭られている門もあり、その場合は「随神門」と呼ばれます。
祭りの準備をするための建物「神饌所」「参籠所」
祭りの準備をするための建物としては、祭りで供えられる神饌(しんせん)を用意する「神饌所」。祭りに際してお籠りして精進潔斎(しょうじんけっさい)する「参籠所(さんろうじょ)」があります。
祈願や奉納に関わる建物「絵馬殿」「御厩」「神楽殿」
祈願や奉納に関わる建物としては、祈願成就を願って絵馬を納める「絵馬殿(えまでん)」やその他奉納物を納める建物、神の乗り物である神馬(しんめ)※または作り物の神馬 を飼っておく「御厩(みうまや・おんうまや)」※「神馬屋(じんめのや)」 、祭りの時に神楽や地芝居その他の芸能が演じられる「神楽殿(かぐらでん)」※舞殿(まいどの) があります。
神を祭る建物「本殿」「境内社」
神を祭る建物としては、祭神(さいじん)を祭る「本殿(ほんでん)」と、一般に「境内社(けいだいしゃ)」と呼ばれる、その他の比較的小さな社(やしろ)や祠(ほこら)とがあります。
神社の事務と参拝者のための建物「社務所」「授与所」「参集殿」
事務と参拝者のための建物としては、社殿に近接して「社務所(しゃむしょ)」があります。ここでは、神社関係の事務のほか、ご祈祷の受付やお札(ふだ)や御幣(ごへい)などの準備も行います。また、参拝者にお札やお守りなどを頒布(はんぷ)する「授与所」や、氏子(うじこ)等の接待や会合などに使われる「参集殿」などもあります。
社殿の構成
神を祭る社殿の中心は「本殿(ほんでん)」です。神社建築を特徴づけるものとして、屋根の両端で交差する「千木(ちぎ)」と屋根上に水平に並ぶ円柱形の「鰹木(かつおぎ)」があります。千木の切り方が横か縦かの違いや、鰹木の数の奇数・偶数の違いは、陰陽または祭神の男女の別を表すともいわれています。千木や鰹木のない神社も多くあります。
また伊勢の神宮に代表される神明造(しんめいづくり)や、八幡神社に多い八幡造、東照宮で知られる権現造(ごんげんづくり)など、神社や地域によって多様な建築様式があります。
どの建築様式でも共通に、手前から奥に向かって「拝殿(はいでん)」「幣殿(へいでん)」「本殿」となっています。
拝殿・幣殿・本殿の違いって?
一般参拝者がお参りするのは拝殿の前です。ご祈祷や神事の参列者は、拝殿内に上ることができます。拝殿の奥に見える御幣を奉(たてまつ)る社殿が幣殿で、神事の際には神職だけがここまで入ることができます。
その奥の扉をかたく閉じた所が、ご神体(御霊代(みたましろ))をお祭りする本殿です。本殿の扉が開けられるのは例祭の日だけで、その際に宮司が中に入る場合もありますが、一般的には誰も入れないことになっています。
建物のほかにもっと神社について知りたい人は
ここまでは、神社にある建物について説明してきました。続いては神社の境内にあるさまざまな物について説明してある「Q.神社の境内には何がある?」をご覧ください。
もっといろいろ知りたい方は、下記リンクから神社についての知りたいページをご覧ください。