Q.神社の種類とは?|神社・神宮・やしろ・みや

一宮

「やしろ」と「みや」、「神社」と「神宮」って何が違う?

現在、神社の数は全国で八万社を超えるといわれています。

それぞれの神社には独自の歴史と伝統がありますが、神社の名称や歴史、由緒をみてみると、幾つかの種類に分けることができます。たとえば、神社名で大きく分けると「○○(神)社」と「○○宮」の二種類がありることがわかります。これは個別の神社の歴史というよりは、実は神社一般の成立ちの歴史を反映しているのです。

「やしろ」と「みや」の違いって?

「やしろ(社)」は、本来の意味からすると「屋代」であり、建物(屋)を建てる場所(代)を意味しています。一方で「みや(宮)」は「御屋」の意味で、建物そのものを指します。この場合、「やしろ」は神を祭る常設の建物をもたず、祭りのたびに仮屋を作って神を迎えるという祭り本来の形を示す言葉であり、「みや」は仏教の影響で、「常に神のいる神社という建物が成立した」段階での言葉だと考えられています。

つまり、この二つの呼称には、「やしろ」から「みや」へという神社成立の歴史が、隠されているのです。

「神社」と「神宮」の違いって?

神社名の「社」と「宮」の違いに関連して思いつくのは、「神宮」を称する神社があることです。実は、「神宮」を名乗る神社とそれ以外の神社との間には、明確な線引きはありません。

ただし、正式名称を単に「神宮」という伊勢神宮をはじめとして、皇室と関係が深い神を祭る神社や、古代以来国家的な尊崇を受けてきた神社が「神宮」を称しています。だからこそ、特に重んじられる傾向があります。

歴史的由緒にもとづく違い

神社にお参りに行くと、入り口の石柱・社号標(しゃごうひょう)などに、「官幣大社(かんぺいたいしゃ)」や「縣社(けんしゃ)」などの文字を目にすることがあります。これは昭和二十年(一九四五)まで存在した近代の社格制度による神社の格づけによるものです。別格である伊勢の神宮を除いて、全国の神社は何らかの格を与えられていたのです。

「官社」と「諸社」ってなに?

この近代社格制度では、全国の神社が国の神祇官(じんぎかん)が管轄する「官社(かんしゃ)」とそれ以外の「諸社」に分類されていました。

このうち「官社」は、神祇官が祭る「官幣社」と各都道府県知事が祭る「国幣社(こくへいしゃ)」とに分けられ、それぞれに大社・中社・小社のランクづけがなされていました。そして「諸社」には、県社・郷社・村社・無格社のランクづけがありました。

「一宮」「二宮」「三宮」ってなに?

一方、近代社格制度とは別に、神社によっては一宮(いちのみや)・二宮・三宮・総社(そうじゃ)などを名乗っているところもあります。これは、平安時代の十一世紀頃に成立した、各国の国司(こくし)の参拝対象神社に対する社格でした。

このうち「一宮」は一国の総鎮守(そうちんじゅ)として、当時の地域制度のなかで一番有力な神社でした。多くは近代社格制度でも官幣大社・国幣大社となっています。次に有力なのが「二宮」、つづいて「三宮」と続いていきます。

総社は、国内の諸神を国府近くに勧請(かんじょう)したもので、国府の鎮守としての役目も果たしていました。

社格制度はすでに存在していませんが、神社の歴史的由緒は現在まで伝わっています。

「式内社」と「国史見在社」「国史現在社」

歴史的由緒という観点から考えると、延長五年(九二七)に成立した『延喜式(えんぎしき)』に記載がある「式内社」(しきないしゃ)、六国史(りっこくし)に記載がある「国史見在社(こくしげんざいしゃ)」「国史現在社」の称号が、よく用いられています。

種類のほかにもっと神社について知りたい人は

ここまで、神社の種類について説明してきました。続いては神社内の建物について「Q.神社にはどんな建物があるの?」をご覧ください。

もっといろいろ知りたい方は、下記リンクから神社についての知りたいページをご覧ください。

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