Q.神棚(かみだな)とは?|祭り方・しめ縄・榊・お供え物

神棚

神棚には、神社から受けた神札(おふだ・しんさつ)や、伊勢の神宮のお札である「神宮大麻(じんぐうたいま)」などを納めます。神棚に祭られる神々は、神棚をお祭りする家や会社を守護します。

家の新築や移転などにともない、神棚を新たに設置する場合は、神社に依頼し、神職によって神棚のお祓いと、神さまをお祭りするための神事を行うようにしましょう。

神棚の祭り方

神棚の配置は、棚の中央にお札を納める宮形(みやがた)を置き、その前に御鏡(みかがみ・神鏡)、注連縄(しめなわ)・紙垂(しで)、榊(さかき)を立てるための榊立(さかきたて)、灯明(とうみょう・神灯)を配置し、お供え物をあげるのが一般的です。

神棚の注連縄・しめ縄

「注連縄(しめなわ)」※七五三縄・標縄 は、新しい藁で作られ、神棚が神聖な場所であることを示しています。神棚に使用される注連縄は、地域によって差異はありますが、一般的には片方が太く、もう片方が細くなっているものが多いです。飾り方は、向かって右側に太い方、左側に細い方を掛けます。形もさまざまで、牛蒡注連(ごぼうじめ)・大根注連(だいこんじめ)などといわれるものがあります。

神棚の紙垂(しで)

「紙垂(しで)」※四垂・四手 は、注連縄などに垂らされ、神棚が神聖・清浄であることを示しています。現在では半紙や奉書で作られています。かつては木綿(もめん)が使用され、今でもその風習が残っているところもあります。折り方にも流儀があり、吉田流・白川流・伊勢流などがあります。地域によっても異なっています。

神棚の榊(さかき)

「榊(さかき)」は元来、常緑樹の総称ですが、現在では一般にツバキ科の植物のことを指しています。一年を通して常に繁っていることから、生命力と繁栄を表すと考えられています。

神道においては、神さまの依代(よりしろ)としての神籬(ひもろぎ)※神さまをお招きするための榊(さかき)や御幣(ごへい)や鏡(かがみ)など や修祓(しゅばつ)※お祓い の際の祓串(はらえぐし)※お祓いに用いる道具 、拝礼の際に神さまに奉る玉串(たまぐし)などに用いられています。

神棚のお供え物

「お供え物」は毎朝、米(洗米・炊飯でもよい)・お神酒(おみき)・塩・水をあげ、神社と同様に二拝二拍手一拝の作法にて拝礼を行います。より丁寧に参拝するには、お供え物に魚や野菜・果物などを加え、祝詞(のりと)をとなえて拝礼をするとよいでしょう。

毎月一日・十五日や、お札を受けた神社の例祭日(神社や祭神に縁のある日のこと。この日に参拝すると特別に利益があるとされています)、家族や会社の記念日などには、とくに多くのお供え物を奉り、より丁寧にお祭りするとよいでしょう。四季の初物などを神棚にお供えするとよいでしょう。

これらのお供え物は、神棚からさげた後、「おさがり」と称して家族みんなでいただきます。これによって、神さまのお力をいただくのです。

なお家や会社に不幸があった場合には、神棚のお祭りをやめて宮形の扉を閉じます。一般に「五十日祭」(四十九日)が過ぎるまでは、死の穢れ(かげれ)を避けるなどの理由で、神棚の前面を白紙で覆っておきます。

また家の解体などの際には、神社に依頼して、神棚から神霊を抜く神事を執り行ってもらうようにしましょう。

お札の納め方

神棚に複数のお札を並べてお祭りする場合には、

  1. 中央に伊勢の神宮のお札(神宮大麻)
  2. 向かって右側に氏神(うじがみ)さまのお札
  3. 向かって左側に崇敬する神社のお札

という並びで納めましょう。前後に重ねて納める場合には、

  1. 一番手間に伊勢の神宮のお札
  2. その後ろに氏神さまのお札
  3. 続いて崇敬する神社のお札

と納めるようにしましょう。

神棚の設置場所って?

神棚の設置場所は、明るく清浄で家族や会社の人々が拝礼しやすい場所であることが、重要な条件です。通常は南向き、あるいは東向きで大人の目線より高い所に設置するのがよいとされています。

逆に、ふすまや障子の鴨居(かもい)の上や、ドアの上などの人が出入りする場所は避けるようにしましょう。

また、二階建て以上の建物で一階に設置する場合、上の階の神棚にあたる部分の床などに「雲」や「天」と書かれた紙を貼り、下の階のそこに神棚がある、という注意を促す風習も見られます。

神棚が設置できない時は?

現在では、住宅の事情などにより神棚が設置できないこともあります。そんな時は、南向きか東向きの壁や柱の高い所に、奉書や半紙などをあて、その上にお札を糊で貼るようにしましょう。あるいは、箪笥(たんす)などの上を清潔にし、そこにお札をお祭りするのも良いと考えられています。

また、神棚はお祭りする神さまによって呼称や設置する場所が異なる場合があります。たとえば歳徳神(としとくじん)※正月に訪れて新しい年をもたらす神。年神(としがみ)とも呼ばれる をお祭りするために臨時に設ける「歳徳棚(としとくだな・年神棚)」や、商店で熊手(くまで)などを飾り商売繁盛を祈願するために設ける「縁起棚(えんぎだな)」などは、常設の神棚とは別に設置します。

古いお札の処分の仕方

古くなったお札やお守りは、神社に納めるようにしましょう。お札やお守りを納める場所は、お札やお守りをいただいた神社が望ましいと考えられていますが、遠方などの理由によりそれができない場合は、近所の神社に納めても大丈夫です。

また、古くなったお札やお守りは一年ごとに取り替えるのが一般的とも考えられていますが、ご祈祷を受けて授与された場合は、祈願が成就するまでお祭りし、成就した後のお礼参りの際に、受けた神社に納めるのがよいでしょう。

左義長・どんど焼・とんど

このようにして集められた古いお札やお守りは、神社の古札納所で管理して、浄火によって焼納(しょうのう)します。

1月15日を中心に全国的に行われる「左義長(さぎちょう)」※どんど焼・とんど と呼ばれる行事において、門松(かどまつ)や注連縄(しめなわ)などの正月飾りと一緒に「お焚き上げ(おたきあげ)」を行う神社もあります。なお、お札やお守りの処分方法は神社や地域で異なっています。

神棚のほかにもっと知りたい人は

このページでは神棚について説明してきました。続いては、こちらもよく見ることができる御札(おふだ)について説明します。「Q.お札ってどんな意味があるの?」をご覧ください。

もっといろいろ知りたい方は、下記リンクから神社についての知りたいページをご覧ください。

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