天照大御神(アマテラスオオミカミ)は、高天原の主神にして皇室の祖神、太陽のような大御神です。伊勢神宮の内宮に祀られています。天照大神、天照皇大神、天照御魂神、天照大日孁貴、神明様、お伊勢様とも呼ばれます。
読みたい項目からどうぞ
天照大御神(アマテラス)とは
天照大御神(アマテラス)は、伊勢神宮の内宮に祀られている神で、皇室(天皇家)の祖神・皇祖神(こうそしん)として崇められています。古事記では天照大御神、日本書紀では天照大神と表記されています。読みはどちらもアマテラスオオミカミです。
天照大御神(アマテラス)の由来
古事記によれば、伊邪那岐神(イザナギ)が黄泉国から逃げ帰って禊をした際、左目をすすいだときに天照大御神が生まれたとあります。月読命(ツクヨミ)、須佐之男命(スサノオ)とともに三貴子(さんきし)といわれ、尊貴な神であります。
三貴子を生んだ時に伊邪那岐神は、「自分はこれまでに多くの子を生んだが、最後に三柱の貴い子を得た」ととても喜び、三貴子それぞれに統治する国を授けました。
天照大御神には、自らの首飾りの玉の緒をゆらゆらと揺らしながら授け、高天原(たかまのはら)を治めるように命じました。ここでいう玉とは魂と同じ意味です。伊邪那岐神は自らの魂を振り、その分霊(わけみたま)を授けたのです。
日本書紀の天照大神(アマテラスオオミカミ)
「日本書紀」の一書(異伝)によれば、伊邪那岐が伊邪那美とともに生んだ天下(あめのした)の主宰者と記されています。
困難をともなう高天原の統治
こののち天照大御神は、高天原の主宰神として君臨します。しかしながら、弟神である須佐之男命との確執などがあったように、運営はなかなか困難でした。
また天照大御神は、神話のなかに頻繁に登場するわりには、実質的な決定権があるようにはあまり見えません。多くの場合、高御産霊神(タカミムスヒ)が実権をもって指揮をしています。
さらに、天石屋戸こもりに代表される神話などからも、いく度となく表舞台から抹殺された形跡を読みとることもできます。こうしたことから、天照大御神の神話とは、強大なカリスマ性を備えてはいたものの実権をもたない傀儡(かいらい)政権を、象徴的に描いたものと解釈することもできます。
世界的にまれな女性の太陽神
日の神の巫女を意味する大日孁貴(オオヒルメノムチ)と記すこともあります。本来は男神であった太陽神(日神)が陰にかくれ、その代わりにその神を祀り、神託を授けた巫女(=ヒルメ、日の女)が表面に出てきたとも考えられることもできます。世界的に見ると太陽神は男性が多く、女性であるケースはきわめて稀です。
天照大御神(アマテラスオオミカミ)の神格
天照大御神(アマテラスオオミカミ)の神格として、代表的なものをご紹介します。
- 太陽神
- 皇祖神
- 高天原の主神
- 日本の総氏神
天照大御神(アマテラスオオミカミ)のご利益・神徳
天照大御神(アマテラスオオミカミ)のご利益・神徳として、代表的なものをご紹介します。特に天照大御神は、あらゆることに対して神徳を発揮すると考ええられています。
- 国土平安
- 五穀豊穣
- 生命力向上
天照大御神(アマテラスオオミカミ)の別の呼び方・異称
天照大御神(アマテラスオオミカミ)の呼び方としては、カタカナで「アマテラス」と記されることが多いです。漢字では「天照大御神」が多く、「天照大神」「天照皇大神」とも記されます。
- 天照大神
- 天照皇大神
- 天照御魂神
- 天照大日孁貴
- 神明様
- お伊勢様
天照大御神(アマテラス)を祀る主な神社・神宮
天照大御神(アマテラスオオミカミ)を祀る神社としては、伊勢神宮内宮が一番有名であり、皇室・総理大臣も参拝します。
また、摂社、末社として日本中の神社に祀られています。摂社・末社については「Q.摂社(せっしゃ)・末社(まっしゃ)ってなに?」をご覧ください。
- 伊勢神宮(内宮)(三重県伊勢市)
- 各地の天祖神社
- 各地の神明宮・神明社
天照大御神(アマテラス)と関わりが深い神々
天照大御神(アマテラスオオミカミ)は高天原を治める神として、とても多くの神々とつながりがあります。ここでは代表的な神々を紹介します。
- 伊邪那岐(イザナギ)
- 月読命(ツクヨミノミコト)
- 須佐之男命(スサノオ)
- 高御産巣日神(タカミムスヒノカミ)
- 思金神(オモイカネノカミ)
- 天手力男神(アマノタヂカラオノカミ)
- 天宇受売命(アメノウズメノミコト)
- 瓊瓊杵尊・邇邇芸命(ニニギノミコト)
あわせてご覧ください。