Q.彦山三所権現(ひこさんさんしょごんげん)とは?

彦山三所権現_サムネイル

天照大御神の御子・天忍穂耳命が降臨したと伝えられる霊仏「彦山三所権現(ひこさんさんしょごんげん)」

彦山三所権現とは

福岡と大分の県境に勇壮な山容でそびえ、かつて九州の修験道最大の拠点として隆盛したのが英彦山(ひこさん)です。北岳・中岳・南岳の三峰からなり、中央にある中岳の山頂に英彦山神宮・上宮が鎮座しています。そして山の全域に摂末社が点在しています。

江戸時代、天下に抜きん出た霊山として「英」の字を賜わりました。それ以前は彦山(ひこさん)と呼ばれていました。「彦山」とは天照大御神(アマテラス)の御子である、天忍穂耳命(アメノオシホミミ)がこの山に天降ったこと、つまり、日の神の子の山=日子山(ひこさん)の伝承に由来します。

修験の聖地だけに、神秘的な縁起譚には事欠くことがありません。

神仏習合時代の祭神・彦山権現は、天竺(てんじく)インドの魔訶提国(まかだこく)にいましたが、東方の人々を救うために日本へと渡来。当地にて水晶石・宝珠(ほうじゅ)を御神体として祀り、さらにそれを49の窟(いわや)に分けたといいます。

のちに、継体天皇の時代に北魏の僧・善正が彦山の石窟にて修行中、猟師の藤原恒雄と出会います。善正は恒雄に殺生を戒めますが、恒雄は聞く耳を持たず白鹿を射抜きます。

すると空から鷹が三羽現れ、白鹿を蘇生させるという奇跡が起こります。その光景を見た恒雄は、鹿が神の化身であったと悟り、善正の弟子となって修行を重ねたといわれています。

そして仏の本体にまみえたいと祈ったところ、三岳の北岳に阿弥陀如来、中岳に観音菩薩、南岳に釈迦如来が顕現し、三岳の頂に神祠(しんし)を祀りました。

その後、奈良時代には衰退していた彦山に宇佐の法師・法蓮があらわれ、般若窟で如意宝珠(にょいほうじゅ)を得たといい、さらに飛来した鷹の落とした羽に「日子を彦と改めよ」と記されているのを発見し、勅命を得て当山を再興したとも伝えられています。

こうした伝承は、彦山を中心とした北九州が先進の文化をもたらした渡来氏族の拠点であった歴史を物語っています。ともあれ彦山は、以後、「峯に三千人の仙人あり」と呼ばれるほどの霊場へと発展し、弥勒菩薩の浄土を模したという「四十九窟」などが当時を偲ばせています。

彦山三所権現の神格

  • 英彦山(福岡県・大分県)の守護神

彦山三所権現のご利益・神徳

  • 農業生産の守護
  • 産業の守護

彦山三所権現を祀る主な神社・神宮

彦山三所権現をお祀りする有名な神社は福岡県田川郡に鎮座する英彦山神宮です。

Q.英彦山神宮とは?|ご利益・アクセス・駐車場など
英彦山神宮は福岡県田川郡添田町にある神社です。英彦山神宮のご利益やご祭神、参拝日・参拝時間・所要時間・拝観料・御朱印などの参拝に役立つ情報、駐車場・地図などの行き方・アクセスの情報を掲載しています。参拝や初詣の前にご覧いただくと理解が深まるでしょう。

自然の山々や霊山の神々

彦山三所権現のほかにも自然の山々の神様は多く祀られています。霊山・霊峰の神々を紹介します。

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